VEGAS Pro Suite 2026に付属しているCrumplePop 2026は、録音した音声のノイズを除去したり、音楽や動画から特定の音を取り出したりしたいときに役立ちます。
この記事では、CrumplePop 2026でできることや各機能の特徴、利用形態、価格・購入方法を紹介します。
CrumplePopとは?
CrumplePop(クランプルポップ)は、Boris FXが開発・販売している、AIを活用した音声のノイズ除去・音質改善ソフトです。
動画や音声に含まれる周囲の雑音、風切り音、反響音などを除去・軽減したり、声を聞き取りやすく調整したりできます。
CrumplePopの特徴は、専門的な音声編集の知識がなくても、簡単な操作で音質を改善できることです。ノイズの種類や用途に応じた専用ツールが用意されており、基本的にはスライダーを調整するだけで効果を適用できます。
また、CrumplePopには、動画編集ソフトなどから利用できる音声エフェクトプラグインと、単体で動作する「SoundApp」が用意されています。
音声エフェクトプラグインはVEGAS Proをはじめ、Premiere ProやDaVinci Resolveなどにも対応しており、動画編集ソフト上で直接ノイズ除去や音質改善を行えます。
一方、SoundAppでは、ノイズ除去や音質改善に加えて、AIを使って音楽をボーカル・ドラム・ベースなどに分離したり、動画の音声をセリフ・音楽・効果音などに分離したりすることも可能です。
これらのAI処理はクラウドへのアップロードを必要とせず、パソコン上で実行されます。
CrumplePopの3つの利用形態
CrumplePopには、単体で動作する「SoundApp」と、動画編集ソフトや音声編集ソフト上で利用する「VSTプラグイン」「ARAプラグイン」の3つの利用形態があります。
それぞれ利用できる機能や音声の処理方法が異なるため、用途や作業環境に応じて使い分けることができます。
SoundApp(単体アプリ)
SoundAppは、VEGAS Proなどの動画編集ソフトを起動せずに、単体で音声のノイズ除去や音質改善、音源分離などを行えるアプリケーションです。

VSTプラグイン
CrumplePopは、VSTプラグインとしてVEGAS Proなどの動画編集ソフトや音声編集ソフトから利用することもできます。

ARAプラグイン
CrumplePopのSoundAppは、ARA(Audio Random Access)プラグインとして、対応する音声編集ソフト(DAW)から利用することもできます。

CrumplePop VSTプラグインでできること
CrumplePopには、ノイズ除去や音声補正に特化した9種類のオーディオプラグインが収録されています。
VEGAS Proなどの対応する動画編集ソフトからVSTプラグインとして利用でき、収録時に発生したノイズの除去や音量調整、音声の明瞭化などを行えます。
それぞれのプラグインでできることを紹介します。
AudioDenoise

AudioDenoiseは、録音した音声に含まれる不要なノイズを軽減するエフェクトです。
マイクで収録したナレーションや会話、インタビューなどの音声から、エアコンの動作音などの環境ノイズ、オーディオ機器やマイクの電子回路などで発生する「サーッ」というヒスノイズ、電源などに起因する「ブーン」というハムノイズを軽減し、声を聞き取りやすくすることができます。
ノイズを軽減する強さを調整できるため、音声の自然さを保ちながら、気になるノイズを取り除きたい場合に便利です。
EchoRemover

EchoRemoverは、室内で録音した音声に含まれる反響音(ルームエコー)を軽減するエフェクトです。
壁や天井、床などに反射した音がマイクに入り込むことで発生する「声が響く」「お風呂場で話しているように聞こえる」といった問題を改善し、声をよりクリアで聞き取りやすい音声に整えることができます。
反響音を軽減する強さを調整できるため、声の自然さを保ちながら、室内収録特有の響きを抑えたい場合に便利です。
WindRemover

WindRemoverは、屋外で録音した音声に含まれる風切り音を軽減するエフェクトです。
マイクに風が直接当たることで発生する「ボコボコ」「ゴーッ」といった不快な風切り音を抑え、声を聞き取りやすくすることができます。
屋外で撮影したVlogやインタビュー、イベントの収録など、風の影響を受けた音声を補正したい場合に便利です。
TrafficRemover

TrafficRemoverは、録音した音声に含まれる車やバス、トラックなどの交通騒音を軽減するエフェクトです。
道路を走行する車のエンジン音やタイヤの走行音、通り過ぎる車両の騒音などをAIで識別して抑え、会話やナレーションなどの声を聞き取りやすくすることができます。
道路沿いで撮影したインタビューや街中でのVlogなど、交通量の多い場所で収録した音声を補正したい場合に便利です。
PopRemover

PopRemoverは、マイクで録音した音声に含まれるポップノイズを軽減するエフェクトです。
「パ行」や「バ行」などの破裂音を発音した際に、口から出た息がマイクに直接当たることで発生する「ボフッ」「ボッ」といった低音のノイズを抑え、自然で聞き取りやすい音声に整えることができます。
ナレーションやインタビュー、ポッドキャストなど、マイクに近い位置で収録した音声のポップノイズを補正したい場合に便利です。
RustleRemover

RustleRemoverは、マイクで録音した音声に含まれる衣擦れノイズを軽減するエフェクトです。
服に取り付けたピンマイク(ラベリアマイク)が衣服と接触したり、体の動きによって服同士が擦れたりすることで発生する「ガサガサ」「カサカサ」といったノイズをAIで検出して抑え、会話やセリフを聞き取りやすくすることができます。
インタビューや対談、人物が動きながら話すシーンなど、ピンマイクで収録した音声の衣擦れノイズを補正したい場合に便利です。
Levelmatic

Levelmaticは、録音した音声の音量のばらつきを自動で調整するエフェクトです。
複数人の会話で話者ごとに声の大きさが異なる場合や、話している人がマイクに近づいたり離れたりすることで生じる音量差を自動で補正し、聞き取りやすい音量に整えることができます。
インタビューや対談、ナレーションなど、声の大きさが一定でない音声を編集する際に便利です。音量を手作業で細かく調整する手間を減らすことができます。
ClipRemover

ClipRemoverは、録音時に発生した音割れ(クリッピング)を補正するエフェクトです。
マイクの入力レベルが高すぎたり、突然大きな声を出したりすることで録音可能な音量の上限を超えると、音声の波形がつぶれ、「ビリビリ」「ジリジリ」といった不快な歪みが発生することがあります。
ClipRemoverは、このようなクリッピングによって失われた波形を推定して補正し、歪んだ音声をより自然な状態に近づけることができます。
インタビューやナレーション、イベントの収録など、録り直しが難しい音声に音割れが発生してしまった場合に便利です。ただし、音割れの程度によっては完全に修復できないこともあります。
Voice Enhance

Voice Enhanceは、AIを使って録音した音声の明瞭度を高め、声を聞き取りやすくするエフェクトです。
録音した音声から人の声を検出し、こもって聞こえる声や輪郭がはっきりしない声を補正することで、言葉がより明瞭に伝わる音声に整えることができます。
ナレーションやインタビュー、対談、ポッドキャストなど、声の聞き取りやすさを改善したい場合に便利です。ノイズの除去だけでなく、声そのものの明瞭さを高めたいときに役立ちます。
CrumplePop SoundApp(単体アプリ)でできること
SoundAppは、AIによる音源分離(Demix)とノイズ除去(Denoise)を行える単体アプリケーションです。
動画編集ソフトや音声編集ソフトを起動する必要がなく、動画や音声ファイルを直接読み込んで、声や楽器などの音源分離、環境ノイズや反響音、風切り音などの除去を行うことができます。
ノイズ除去(Denoise)
SoundAppの「Denoise」は、AIを使って録音した音声に含まれるノイズを軽減し、声を聞き取りやすくする機能です。

収録環境に応じたAIモデルを選択でき、標準では室内収録向けの「Indoor」と屋外収録向けの「Outdoor」の2種類が用意されています。
- Indoor: 室内で発生する背景ノイズや環境音、反響音(ルームエコー)を軽減し、声の明瞭さや厚みを保ちながら音声を整えます。
- Outdoor: 屋外で発生するさまざまな環境ノイズを軽減し、声を聞き取りやすくします。
さらに、必要に応じて以下のAIモデルを追加することもできます。
- Indoor Noisy: 騒音の大きい室内環境向け。通常のIndoorよりも強い背景ノイズや反響音の軽減に対応します。
- Outdoor Traffic: 車の走行音など、街中で発生する交通騒音を軽減し、声の明瞭さを改善します。
- Outdoor Wind: 屋外収録で発生する風切り音や、風による低周波の「ゴーッ」というノイズを軽減します。
使い方も簡単で、収録環境に適したAIモデルを選択したら、「強さ」スライダーでノイズ除去の程度を調整するだけです。
複雑な設定を行う必要がなく、処理後の音声を確認しながらノイズを軽減できるため、ナレーションやインタビュー、Vlogなどの音声補正に便利です。
AIによる音源分離(Demix)
「Demix」は、複数の音が混ざった動画や音声ファイルから、声や音楽、効果音、楽器などをAIで分離する機能です。一般的に『ステム分離』と呼ばれる機能です。
通常、動画や音楽を書き出すと、それぞれの音が1つにまとめられるため、後から特定の音だけを調整したり削除したりすることは困難です。
Demixを使えば、元の編集プロジェクトやマルチトラックデータがなくても、完成済みのファイルから必要な音を分離し、個別に音量を調整したり、不要な音を取り除いたりすることができます。
SoundAppには、用途に応じて次の3種類の音源分離モデルが用意されており、分離したパートやMIXした調整結果をAVE/FLAC/MP3フォーマットで書き出す事が可能です。
Music 4 Stems:楽曲を4つのパートに分離
Music 4 Stemsは、完成した楽曲を次の4つのパートに分離する機能です。
- Vocals:ボーカル
- Drums:ドラム
- Bass:ベース
- Other:ギターやシンセサイザーなど、その他の楽器

各成分を別々に表示することも可能です。

分離したパートは、それぞれ音量を調整したり、ミュートしたり、ソロ再生したり、個別の音声ファイルとして書き出したりできます。
Voice 2 Stems:声と音楽を分離
Voice 2 Stemsは、音声を「Voice(声)」と「Music(音楽)」の2つに分離する機能です。
楽曲からボーカルを取り除いてカラオケ用の伴奏を作成したり、反対にボーカルだけを抽出したりできます。
また、BGMが混ざった音声ファイルから話し声だけを取り出したい場合などにも活用できます。

Cinema 4 Stems:動画の音声を4つの要素に分離
Cinema 4 Stemsは、動画や音声ファイルに含まれる音を次の4つの要素に分離する機能です。
- Voice:会話やナレーションなどの声
- Music:BGMなどの音楽
- Sound Effects:効果音
- Other:その他の音
例えば、完成済みの動画からBGMだけを取り除き、セリフや効果音を残したり、ナレーションだけを抽出して別の動画に利用したりできます。
元の編集プロジェクトが残っていない動画でも、音声を部分的に修正・再利用できる点は、動画編集者にとって大きなメリットです。
Cinma 4 Stemsモデルは、デフォルトではインストールされておらず、手動で追加インストールすることで利用することができます。

クラウド不要のローカル処理
SoundAppの音声処理は、クラウド上のサーバーではなく、使用しているパソコン上で実行されます。
動画や音声ファイルを外部サーバーにアップロードする必要がないため、インタビューや社内会議、公開前の映像素材など、プライバシーや機密性に配慮する必要がある音声も安心して処理できます。
また、GPUを利用した処理にも対応しており、音声のプレビューや書き出しを効率よく行えるのも特徴です
SoundApp ARAプラグインでできること
SoundApp ARAは、REAPERやCubase、Pro ToolsなどのARA対応DAW(音楽制作・音声編集ソフト)内で、SoundAppのAI音声処理機能を利用できるプラグインです。
通常のSoundAppとは異なり、DAWで編集中の音声を別のアプリに書き出すことなく、ノイズ除去(Denoise)や音源分離(Demix)を行うことができます。
また、一般的なVSTプラグインとは異なり、音声クリップ全体を解析して処理できるため、より精度の高いノイズ除去や音源分離が可能になります。
さらに、複数のAIモデルを組み合わせて処理することもでき、音源分離とノイズ除去をDAW内でまとめて行えます。
以下の画像は、REAPERでSoundApp ARAを使用し、楽曲からボーカルだけを抽出しているところです。

このように、DAWの編集環境を維持したままAIによる音声処理を行えるため、音楽制作や音声編集を効率よく進めることができます。
なお、SoundApp ARAを利用するには、ARAに対応したDAWが必要です。
- Pro Tools
- Sequoia
- Samplitude
- Reaper
- Cubase
- 他のARA2対応ホスト
CrumplePopの価格・購入方法
CrumplePop 2026は、ソースネクストから単体で購入できるほか、VEGAS Pro Suite 2026を購入することでも入手できます。
それぞれの通常価格と、2026年10月のセール価格は以下のとおりです。
| 製品 | 通常価格(税込) | 2026年10月のセール価格(税込) |
|---|---|---|
| CrumplePop 2026(単体) | 54,980円 | 39,980円 |
| VEGAS Pro Suite 2026 | 99,800円 | 49,800円 |
CrumplePopだけを利用したい場合は、単体版の購入がおすすめです。
一方、VEGAS Pro Suite 2026にはCrumplePopに加えて動画編集ソフトのVEGAS Proも含まれているため、これからVEGAS Proを導入する方や、動画編集ソフトの購入も検討している方には、Suite版が選択肢になります。
2026年10月のセールでは、CrumplePop単体版との価格差はわずか9,820円です。
CrumplePopとあわせてVEGAS Proも使いたい方は、VEGAS Pro Suite 2026の購入を検討してみるとよいでしょう。

最新のセール情報は以下のページをチェックしてください。

Vegas Pro Suite 2026版CrumplePopは他の編集ソフトでも使える
Vegas Pro Suite 2026を購入すると、CrumplePopを一緒に入手できますが、それをインストールすることで、VEGAS Pro以外の他の動画編集ソフト上でもプラグインエフェクトは動作します。
以下は、Adobe Premiere上で動作している様子です。

まとめ
CrumplePop 2026は、録音した音声に含まれるノイズを軽減したい方や、音楽・動画から特定の音だけを取り出したい方にとって、便利なツールです。
クライアントワークでは、支給された動画素材にノイズや反響音が含まれていることもあります。こうした音声トラブルに対応できるツールを用意しておけば、いざというときにも役立ちます。動画編集を仕事にしている方なら、導入を検討する価値があるでしょう。
CrumplePopはソースネクストで単体購入できるほか、VEGAS Pro Suite 2026にも付属しています。これからVEGAS Proの導入も検討している方は、CrumplePopを含むSuite版もあわせてチェックしてみてください。








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