動画編集ソフト「VEGAS Pro」の最新バージョンである「VEGAS Pro 2026シリーズ」が、日本において2026年8月6日にソースネクストから発売されました。
VEGAS Pro 23まではMAGIX社提供でしたが、Boris FX社が買収したことにより、VEGAS Pro 2026シリーズとして生まれ変わっています。
今回、ソースネクスト様よりレビュー用に「VEGAS Pro Suite 2026」エディションを提供して頂けたのでVEGAS Pro 2026で新たに追加された新機能やVEGAS Pro 23からの変更点について詳しくレビューします。
VEGAS Pro 2026シリーズの購入を考えている人はぜひ参考にしてみてください。


VEGAS Pro 2026の新機能や変更点をチェック!
VEGAS Pro 2026は、Boris FXがMagixからVEGAS Proを買収して初めてリリースされたバージョンです。そのため、VEGAS Pro 23から新しい機能が大きく追加されたというよりも、多数の安定化&バグフィクスを反映したバージョンという側面が強いです。
実際、Boris FXが最初にリリースしたビルド66では118個のバグ修正が行われています。
目に見えて分かりやすく変わった点は、2D/3Dタイトル制作ツールセット「Continuum Title Pack」を新搭載したこと、VEGAS Hub関連機能の削除、レガシー機能や一部のマイナー機能の削除などです。
「Continuum 2D + 3D Titling Tools」の追加はBoris FXが持つ強みが早速反映されたポイントといえます。
ここからは、VEGAS Pro 2026で具体的に何が変わったのか、新しく追加された機能だけでなく、変更・削除された機能も含めてチェックしていきたいと思います。
2D/3Dタイトル制作ツールセット「Continuum Title Pack」を新搭載
VEGAS Pro 2026では、Boris FXの「Continuum」に含まれる「Title Studio」をベースとした2D/3Dタイトル制作ツールセット「Continuum Title Pack」が新たに搭載されました。
Continuum Title Packを使えば、3Dテキストの立体的な表現やアニメーションなど、より高度なタイトル制作が可能です。
Continuum Title Packの搭載は、Boris FXが持つ技術や製品とのシナジーが早速反映された新機能のひとつといえます。
具体的には、以下のエフェクトが追加されています。
| エフェクト名 | 概要・特徴 |
| BCC Extruded EPS | EPS形式のベクターデータを読み込み、3D空間上で立体的なオブジェクトとして押し出せるエフェクトです。ロゴやグラフィックなどを3D化できます。 |
|---|---|
| BCC Extruded Spline | スプラインやパスをもとに3Dオブジェクトを作成し、押し出しや変形などを行えるエフェクトです。 |
| BCC Extruded Text | テキストに奥行きを持たせて3D化し、ベベルやマテリアル、ライティング、影などを設定できるエフェクトです。 |
| BCC Layer Deformer | レイヤーを3D空間上の平面や球、円柱、キューブなどの形状に変形し、曲げやねじりなどのデフォーマーを適用できるエフェクトです。 |
| BCC Type On Text | テキストの文字を順番に登場させたり、消えていくように見せたりするアニメーションを作成できるエフェクトです。文字ごとに移動、回転、拡大・縮小、フェードなどの動きも設定できます。 |
| BCC Title Studio | 独自のインターフェースを備えた2D/3Dタイトル制作環境です。テキストやシェイプ、ベクター素材などを組み合わせ、3D空間で本格的なタイトルやモーショングラフィックスを制作できます。 |
Title Studioは、Continuum Title Packのタイトル制作機能をまとめて扱えるような統合環境です。
実際に少し触ってみましたが、3Dテキストを簡単に作れるだけでなく、マテリアルの設定やカメラワーク、ライティング、アニメーションなど、かなり高度なタイトル制作ができます。使いこなすにはそれなりに学習が必要になりますが、使いこなせれば高度な3Dタイトル演出が可能になります。ただし、動作は非常に重めなので、低スペックのPCでは操作が厳しいと感じました。
タイトル制作ツール群は、メディアジェネレーターからプリセットをタイムラインにドラッグして作ることができます。

他にも、タイムラインのビデオトラック上に空のイベントや調整イベントを作成し、ビデオFX画面からBCC Title Studioのデフォルトプリセットを空のイベントの上にドラッグアンドドロップする方法があります。また、ビデオイベントにそのまま適用することも可能です。

BCC Title Studioの設定画面。プリセットベースで作る事もできるし、自分で一から作っていくことも可能です。

基本的には、UI WindowかFX Browserのどちらかを使って作業を行うことになります。Launch UI Windowはプリセットベースでの作業、UI Windowはプリセットカスタマイズやいちから自分でモーションを作成したい時に使用します。
以下は、FX Browserの画面。カテゴリごとに数個のプリセットが登録されています。プリセットを選んでテキストを入力すれば簡単にタイトルを作成できます。

以下は、UI Windowの画面です。カメラ、ライト、キーフレーム、各種エフェクトを使って3Dモーションを作成することができます。この画面には、FX Browser画面の「Advanced Mode」ボタンからアクスすることもできます。

実際に少し触ってみましたが、映像作品のタイトルやオープニングなど、デザイン性の高い2D/3Dタイトルを制作したい場合に特に活躍する機能だと感じました。もちろん、ローワサードやSNS向け登録ボタン、凝ったテロップ等も作成可能です。

ただし、タイトルスタジオのUIは英語のみとなり、一部の日本語フォントが表示できない、日本語フォントを選ぶリストが文字化けしてしまう等日本語まわりに難がある点には注意が必要でしょう。
Z-Depth 2.0を搭載!AI深度モデルをアップデート
VEGAS Pro 2026では、AIを利用して映像の奥行きを解析する「Z-Depth」が2.0にアップデートされました。新しいAI深度モデルを採用し、高解像度の深度マスクやフレーム間の時間的な平滑化などが改善されています。
実際にVEGAS Pro 23のZ-Depthと同じ素材で比較してみたところ、深度マスクの精度は明らかに向上していました。
特に違いを感じたのが、前景と背景の間にある狭い領域の認識精度です。 VEGAS Pro 23ではうまく認識できなかった狭い部分もしっかりと深度マスクとして捉えられるようになっており、以前よりも前景と背景を正確に分離できるようになっています。
ただし、AIを使用するため、やはり処理は重めです。私の環境では、リアルタイムプレビューがかなりカクつきました。
NVIDIA Blackwell GPUによるAVC/HEVC 4:2:2のハードウェアデコードに対応
VEGAS Pro 2026では、NVIDIA GeForce RTX 50シリーズなどのBlackwell世代GPUで、AVC/HEVC 4:2:2のハードウェアデコードに対応しました。
4:2:2はカメラ撮影などで利用される高品質な映像フォーマットですが、ハードウェアデコードに対応していない環境では、再生や編集時にCPUへの負荷が大きくなります。
今回の対応で、Blackwell世代のGPUでは4:2:2素材のデコード処理をGPUで行えるようになり、Vegas Core Engineの「Zero Copy Pipeline」とも連携して、ソフトウェアデコードによる負荷を抑えながら、マルチカメラプロジェクトなども効率的に編集できます。
私はNVIDIA Blackwell世代のGPUを搭載したPCを所有していないため、この機能については実際の再生性能や編集負荷を検証できていませんが、対応GPUを持っている人にとっては、4:2:2素材を快適に扱うことができるはずです。
Apple ProRes RAWフォーマットをネイティブサポート
VEGAS Pro 2026では、Apple認定のProRes RAWをネイティブサポートしました。
VEGAS Pro 23でもProRes RAWファイルを読み込むこと自体はできましたが、2026ではApple認定ProRes RAWをネイティブサポートしており、VEGAS Pro上でRAWパラメーターをコントロールできるようになっています。
実際にProRes RAW素材を使ってみると、豊富な階調を残したままカラーグレーディングできるため、通常の動画素材とは違った柔軟な色調整が可能です。
DJIが公開しているサンプル映像(ProRes RAW 8K 60fps)を使用して、VEGAS Pro 2026でカラーグレーディングを行ってみました。

VEGAS Pro 23と時とは映像の表示に明確な違いがあり、2026ではProRes RAWの持つ階調を活かしたグレーディングがしやすくなったことを実感できます。
ProRes RAWを扱うユーザーにとっては、今回のネイティブサポートはかなり大きなアップデートといえるでしょう。
安定性や性能を強化!初期ビルドで118個ものバグを修正
VEGAS Pro 2026では、VEGAS Pro 23から大きく安定性や性能の強化が図られています。
Boris FXが最初にリリースしたビルドだけでも118個ものバグが修正されており、その後のアップデートでも継続的に改善が行われています。
VEGAS Core Engineの色変換処理の精度向上、メディアデコードパイプラインの効率化、GPUレンダリングパイプラインの改善など、動画編集ソフトの基盤となる部分にも手が入っています。
また、サムネイルやプロキシメディアの生成をGPUパイプラインへ移行したほか、ビデオスコープの表示やパフォーマンスも改善されています。
こうした変更は目立ちにくい部分ではありますが、VEGAS Pro 2026を実際に使ってみると、VEGAS Pro 23からソフト全体の安定性や完成度が高まっていることを実感できます。
各ビルドで行われた具体的な修正内容については、以下の記事でまとめているので何が変わったのかを知りたい方は参考にしてみてください。



VEGAS Hubが廃止!買い切り版ではクラウド機能が利用不可に
VEGAS Pro 21からVEGAS Pro 23までは、ストックメディア(Storyblocks)の素材ダウンロードや、Text to Speech、Speech to Textといった機能が利用できるVEGAS Hubにアクセスすることができました。
しかし、VEGAS Pro 2026ではVEGAS Hubが廃止され、UIから綺麗さっぱり消え去っています。
VEGAS Pro 23

存在していましたが・・・
VEGAS Pro 2026

そのため、ソースネクストが販売する買い切り版のVEGAS Pro2026では、ストックメディアやText to Speech、Speech to Text機能を利用することはできなくなっています。
Magix社時代に提供されたVEGAS Hubは、もともとサブスクユーザーのみが利用できる機能として存在していましたが、VEGAS Pro 21 Update 3で突如買い切り版ユーザーにも提供するという超絶太っ腹な対応を行ってくれました。
ただ、ビジネス的に無理があったのか、バージョンアップを重ねるごとに買い切り版で利用できる範囲は狭くなり、VEGAS Pro 23では完全にお試し版のような位置づけになっていました。
そして、完全廃止というながれですね。残念ですが仕方ありません。
ちなみに、本家のBoris FXで提供されているVEGAS Pro 2026のサブスクリプション版では、ストックメディア(StoryBlocks)、オフラインのText to Speech/Speech to Text機能を利用することができます。
その他のマイナー機能・レガシー機能も削除
VEGAS Pro 2026では、VEGAS Hub以外にもいくつかのマイナー機能やレガシー機能が削除されています。
削除されたのは、以下の機能です。
- AIアシスタント
- Print to Tape
- Sony Wireless Media Adaptor
- Vegas Connect
- レガシーアップスケール/ズームプラグイン
- レガシースタビライザー
- DVDカムコーダーディスクのインポート機能
AIアシスタントは、VEGAS Pro 22で登場し、AI技術を活用してクリエイティブなプロセスを支援するプラグイン機能でした。アーリーアクセスに申請したユーザー向けに提供されていた機能ですが、当時としてはかなり先進的な取り組みだったと思います。
ストック素材機能とも関連していた機能でしたが、本家Boris FXのサブスクリプション版でも廃止されていることから、現在のVEGAS Proでは継続する必要性が低いと判断されたのでしょう。
その他の機能は、現在の動画編集環境では利用する機会が少なくなったものが中心です。レガシー機能をメンテナンスし続ける負担を考えれば、このタイミングで整理したのは正しい判断だったのではないでしょうか。
VEGAS Captureで録画できるようになっていた
VEGAS Pro 23では、まともに動かなかった画面録画機能の「VEGAS Capture」。
ふと気になって、VEGAS Pro 2026でチェックしてみたところ、少なくとも画面録画については正常に動作するようになっていました。

デュアルモニター環境では、2画面を同時に録画することも可能です。それぞれの画面ごとに動画ファイルが作成されます。

録画完了後に、「VEGAS Proにエクスポート」ボタンを押すと、「Hub Service not started」というエラーが表示されてしまうのですが、録画した動画は問題なくVEGAS Proのタイムラインに取り込まれました。

ただし、音声入力には問題がありました。
私は、YAMAHA AG03というオーディオインターフェースにマイクを接続して使用していますが、入力ソースとして機能せず、音声を録音することができませんでした。
AG03自体をキャプチャソースとして指定することは可能なのですが、Not Availableと表示され機能していません。

VEGAS Pro 23と比べれば大幅に改善しているものの、音声入力やエラーメッセージなど、まだ気になる部分は残っています。
VEGAS Pro 23と性能を比較してみた
レンダリング速度が約31%高速化
VEGAS Pro 2026とVEGAS Pro 23で、同じプロジェクトを同じ設定でレンダリングして、処理時間を比較してみました。
今回のテストには、海外のVEGAS Proフォーラムでパフォーマンステストに使用されている「VEGAS Pro Fanmade Ad – The All New VEGAS Pro (Update 1.01)」という1分間のプロジェクトを使用しています。
複数の素材やエフェクトなどを含んだプロジェクトのため、単純な動画ファイルをレンダリングするよりも、VEGAS Proの処理性能を比較しやすいテスト素材です。
| バージョン | レンダリング時間 |
|---|---|
| VEGAS Pro 2026 | 1分55秒19 |
| VEGAS Pro 23 | 2分47秒50 |
結果は、VEGAS Pro 2026のほうがレンダリング速度が大幅に早いという結果になりました。
VEGAS Pro 2026では1分55秒19でレンダリングが完了したのに対し、VEGAS Pro 23では2分47秒50かかりました。レンダリング時間は約52秒短縮され、VEGAS Pro 23と比べて約31%高速という結果です。
VEGAS Pro 2026で行われている、Core Engineの強化やGPUレンダリングパイプラインの改善が有効に機能しているようです。
起動時間は遅くなった
VEGAS Pro 2026とVEGAS Pro 23で起動時間を比較してみたところ、私の環境ではVEGAS Pro 23のほうが早く起動しました。
同一PC、同じ条件のもと、コールドスタートとウォームスタートの2パターンで「ようこそ画面」の表示が完了するまでの時間を目視で測定しました。
コールドスタート:PC起動後の最初の起動
ウォームスタート:VEGAS Proを一度終了した後に再度起動
| バージョン | コールドスタート | ウォームスタート |
|---|---|---|
| VEGAS Pro 2026 | 32.56秒 | 15.39秒 |
| VEGAS Pro 23 | 21.48秒 | 13.84秒 |
コールドスタートではVEGAS Pro 2026が32.56秒、VEGAS Pro 23が21.48秒となり、2026のほうが約11秒長くかかりました。
ウォームスタートでも2026が15.39秒、23が13.84秒となり、約1.5秒の差があります。
起動時間については、VEGAS Pro 23のほうが早く、2026では起動に少し時間がかかるようになっています。
また、VEGAS Pro Suite 2026に付属しているCrumplePopをインストールすると、起動時間はさらに長くなります。CrumplePopをインストールした状態では、VEGAS Pro 2026の起動(コールドスタート)に約1分かかりました。
VEGAS Proは、VSTプラグインが大量にインストールされていると、起動時のプラグインチェックに時間がかかります。プラグインを多数使用している場合は、起動時間が長くなる点に注意してください。
VEGAS Pro 2026シリーズの各エディションの違い
VEGAS Pro 2026シリーズには、単体エディションの「VEGAS Pro 2026」と、各種ソフトをバンドルした「VEGAS Pro Suite 2026」の2つのエディションがあります。
各エディションの特徴や違いついては、こちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ
Magix時代の最終バージョン「VEGAS Pro 23」では、コアエンジンを刷新したことでパフォーマンスが向上した一方、変更の影響範囲が大きく、さまざまな部分でバグが発生していましたが、VEGAS Pro 2026では、そうした問題に対する大量のバグ修正が行われ、パフォーマンスもさらに改善されています。
実際に今回の検証では、レンダリング速度がVEGAS Pro 23より約31%高速化しており、パフォーマンスの向上を実感できる結果となりました。
また、新機能面では、3Dタイトル制作に対応したContinuum Title Packなど、Boris FXが持つ資産の一部が早くもVEGAS Proに統合されていることから、VEGAS Pro 2026はBoris FXのもとで新しいVEGAS Proが始まったことを感じさせるバージョンになっています。
VEGAS Proは、買い切り版で長期間使用できることに加え、タイムライン上で素材を自由に扱える柔軟性や、直感的な操作性が大きな魅力です。個人的には、動画編集初心者にこそ手に取ってもらいたい動画編集ソフトだと思っています。
さらに、映像制作で絶大な信頼を誇るBoris FXの傘下に入ったことで、今後の機能進化や安定性への期待もますます高まっています。思い描いた動画を自分の手で形にする楽しさを、ぜひ新しくなったVEGAS Pro 2026で体験してみてください。
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